控えめな苦味と豊かな酸味が特徴的なコスタリカコーヒー。
ハニープロセスという独自の精製方法を用いてコーヒー豆を生産しています。
この記事では、コスタリカコーヒーの特徴から精製方法、味や美味しい飲み方までご紹介しています。
コスタリカコーヒーとは

中央アメリカの南部に位置する共和国、コスタリカ共和国で生産されたコーヒー豆をコスタリカコーヒーと言います。
カリブ海と太平洋に面しており、国土を横断する火山帯により標高差のある地形が特徴です。
「コスタリカ」とは豊かな海岸という意味で、国名にも掲げられている通り自然が豊かな環境保護先進国としても名高い地と言われています。
熱帯雨林が国土の40%以上を占めており、コーヒーの栽培にはピッタリの環境です。
コスタリカコーヒー豆の歴史
コスタリカは、中米で最も早くコーヒー栽培が開始された国と言われています。
18世紀頃にキューバからコーヒー豆が持ち込まれたことをきっかけにコーヒー栽培が広がり、19世紀初めには輸出も開始しました。
そして1970年代になる頃、コーヒー産業は成長・拡大し続けコスタリカの重要な農産物となっていったのです。
協会設立で安定した品質を供給できるように
1933年にはコーヒーの安定した供給と品質、ブランドを守るために「コスタリカコーヒー協会(CICAFE)」を設立しました。
さらに1988年、コスタリカ政府はアラビカ種以外のコーヒー生産を禁止する法律を制定しました。
これにより、コスタリカ国内のコーヒー生産体制は国をあげて整えられていったのです。
コスタリカコーヒー豆の生産量
コスタリカでは年間7万6,000トンほどのコーヒー豆が生産されており、その量は世界でも20位以内に入ります。
コスタリカ国内には8万件以上ものコーヒー農園があると言われていますが、そのほとんどが5ヘクタールにも満たない小規模農園です。
しかし、小規模だからこそコーヒーの木1本1本が丁寧に扱われ、上質な生豆の生産につながっています。
コスタリカコーヒー豆の特徴

コスタリカコーヒー豆が育つ産地や品種、コスタリカ独自の生成方法について詳しく解説してきます。
産地(地域)の特徴
コスタリカは熱帯地域でありながら標高が高い山岳地帯のため、コーヒー豆の栽培には最適な環境です。
コスタリカ産のコーヒー豆の内、75%が標高1,000m~1,700mの場所で栽培されています。
日照量は安定していますが、必要以上の日照量を取り入れないため、シェイドツリーの下でコーヒーの木を育てることで程よく日光を遮ぎる工夫がされています。
降水量については、コスタリカは雨季と乾季がはっきりと分かれておりこの特徴もコーヒー豆の栽培に適しています。
また、コスタリカには火山帯があります。
そのため、火山灰により豊富なミネラル分が含まれた豊かな土壌があり、コーヒーの木に充分な栄養を与えることができるのです。
コスタリカコーヒー豆の品種(種類)
一口にコスタリカコーヒーと言っても、生産された地域により風味は異なります。
コスタリカには主に7つの地域でコーヒーが生産されており、地域ごとの標高や気候、環境によりコーヒー豆に個性が生まれます。
先述したとおり、コスタリカではアラビカ種以外の栽培が禁止されています。そのため、コスタリカで栽培されている品種はアラビカ種に属し、派生してできた品種となります。
農園によって差がありますが、一般的に標高1,200m以上の高地で栽培されるコスタリカコーヒーは「カトゥーラ種」と呼ばれ、香りと酸味が特徴的です。
一方で標高1,000m以下の地域では口当たりの軽さが特徴のコスタリカコーヒー、「カトゥアイ種」を栽培していることが多いです。
独自の精製方法「ハニープロセス」
コスタリカでは、「ハニープロセス」と呼ばれる独自の方法でコーヒー豆を精製しています。
通常、コーヒー豆はコーヒーチェリーから外皮と果肉や「ミューシレージ」という粘着質を取り除いてから乾燥させます。
一方でハニープロセスでは、ミューシレージを取り除かないまま乾燥します。
ミューシレージに含まれている糖分が生豆に濃縮されることで、より美味しいコーヒー豆に仕上がるのです。
ミューシレージをどの程度残すかにより、次のような名称が使い分けられています。
名称 | ミューシレージ |
---|---|
ブラックハニー | 除去しない |
レッドハニー | 20~25%除去 |
イエローハニー | 50%程度除去 |
ゴールデンハニー | 75~80%除去 |
ホワイトハニー | 90%以上除去 |
ハニープロセスは豆が発酵し過ぎたり欠点豆が混入しやすくなるというリスクが伴いますが、農園ごとに様々な工夫や調整が行われているおかげで安定した品質のコーヒー豆を供給しています。
コスタリカコーヒー豆の味と香り
コスタリカ産のコーヒー豆は、控えめな苦味と豊かな酸味を感じられます。
ライトな口当たりで飲みやすく、深めのコクが日本人の舌にも好まれやすい味わいです。
一口飲むと気持ちがリラックスするような、フルーティーな香りを楽しめます。
コスタリカコーヒー豆の美味しい飲み方
コスタリカコーヒー豆は、中煎りにすると酸味・苦味をバランスよく楽しめます。
豆の量を少しだけ多くして、85℃程度のお湯で濃いめに抽出すると更に風味を感じられるので是非お試しください。
口当たりの軽いコーヒーを楽しみたいならペーパードリップ、濃厚な甘味を楽しみたいならネルドリップがおすすめです。
コスタリカコーヒーはミルクとの相性が良いです。
ミルクを入れることでマイルドな味わいになり、コスタリカコーヒーが持つ甘味を更に楽しめます。
通販で買えるおすすめのコスタリカコーヒー豆3選
ここでは、通販でも購入できるコスタリカコーヒー豆の中でおすすめの商品をご紹介します。
bears coffee コスタリカ セントタラス SHB
SCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)の関連団体、CQI(coffee quality institute)により高品質であると認定されたコスタリカコーヒー豆です。
コーヒー豆から出る炭酸ガスを放出しながらも外部の空気が入りにくい仕組みになっているパッケージに入っており、豆が劣化しにくくいつでも新鮮な味わいを楽しむことができます。
パロットコーヒー コスタリカ セントタラス
お湯を注ぐだけですぐに飲める、ドリップバッグタイプのコスタリカコーヒーです。
通常のドリップバッグコーヒーに入っているコーヒー粉は8gですが、こちらは11~13gと多めに入っています。
濃いめに抽出しても、多めに抽出しても楽しめるのが特徴です。
コーヒー乃川島 コスタリカ ハニー 160g
シックなデザインがおしゃれなコスタリカコーヒー豆の粉タイプです。
ドリップの際に漂う甘い香りと、すっきりとした風味が特徴です。
苦味が苦手な方も飲みやすく、幅広い層の人々に親しまれやすい味わいになっています。
コスタリカコーヒー豆はスタバやコストコでも買える
通販の他に、コストコやスタバなどの店舗でもコスタリカコーヒー豆を購入できます。
【コストコ】カークランド コスタリカンホールビーンズ
赤いパッケージが特徴的なコスタリカコーヒー豆です。
内容量は1.36キログラムとかなり多く入っており、家族でよくコーヒーを消費する人に適したボリュームでです。
香りは強く、控えめな酸味と深いコクが特徴。
ローストレベルは「ダーク」で、濃厚な風味を楽しめます。
【スターバックス】ハニープロセス コスタリカ ラ プレセルバ
スターバックスで販売されている、コスタリカコーヒー豆です。
はちみつのような甘味と、ラズベリーを思わせる複雑な風味を楽しめます。
絶滅が危惧されているジャガーの生息地域の環境を考慮しながら生産されており、ジャガーが描かれたおしゃれなパッケージが特徴的です。
まとめ
豊富な自然で育ち、独自の精製方法から生産されるコスタリカコーヒー豆。
控えめな苦味と、ほんのりと香るフルーティーさはリラックスのためのコーヒータイムにピッタリです。
コスタリカの中でも栽培された地域により異なる風味を感じられるので、地域ごとのコスタリカコーヒーを飲み比べて自分好みの味を見つけてみるのも楽しいでしょう。
まだコスタリカコーヒーを飲んだことがないという方は、是非お試しください。
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