アラビカ種のコーヒー豆とは?派生した品種と特徴を一覧で解説

    コーヒー豆の三大品種と呼ばれる品種(アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種)の中でも、アラビカ種は生産量が最も多い品種です。

    アラビカ種から派生した品種は200種以上もあり、一杯2,000円の値が付くゲイシャ種などもその一つです。

    この記事ではアラビカ種のコーヒー豆の歴史や派生した品種ごとの特徴を一覧で解説いたします。

    目次

    アラビカ種のコーヒー豆とは

    アラビカ種のコーヒー豆とは

    コーヒー豆の三大品種と呼ばれるアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種の中で、最も多くの生産量を誇るのがアラビカ種のコーヒー豆です。

    世界中に流通しているコーヒー豆の内、7割はアラビカ種が占めていると言われています。

    ここでは、アラビカ種の特徴について解説していきます。

    アラビカ種の原産地はエチオピア

    アラビカ種のコーヒー豆はアフリカのエチオピアが原産で、15~17世紀頃に飲み物として広まりました。

    その後イエメンなどアラビアで広がったことから、「アラビカ」という名前が付けられたと言われています。

    アラビカ種は病気に弱く育てるのが難しい

    アラビカ種は病気や害虫、気象変化に弱く育てるのが難しい品種と言われています。

    また、標高約1000~2000mの熱帯高地が栽培に適している環境とされており、非常に手間がかかるのです。

    それでもアラビカ種の上質な味わいを求める消費者の需要が高いことから、生産や品種改良が盛んに行われています。

    アラビカ種コーヒー豆の栽培環境

    上述のとおり、アラビカ種のコーヒー豆は熱帯高地で栽培されています。

    高地は1日の寒暖差が激しく、雨量や日射量も豊富であることから美味しいコーヒー豆が育ちやすいのです。

    アラビカ種コーヒー豆の風味

    アラビカ種の中でも派生した品種は数多く存在し、その品種によって味わいは異なります。

    全体を通して共通する特徴を挙げるとすれば、豊かな風味や鮮やかな酸味を感じられることです。

    花のように甘い香りを持ち、コクとクリーンさに優れた味わいとなっています。

    アラビカ種から派生した品種

    アラビカ種は品種改良や突然変異を経て生まれた品種が数多く存在します。

    アラビカ種の品種は200種類以上

    アラビカ種から派生した品種は何と200種類以上存在し、それぞれ違った味わいを持っています。

    ここでは、有名な品種のご紹介とともに特徴について解説していきます。

    ティピカ種

    アラビカ種の中では最古の品種と言われていますが、病気に弱く生産性が低いことから品種改良の対象となりました。

    ティピカ種の品種改良や突然変異により、様々な品種のコーヒー豆が生み出されています。

    本来のティピカ種は甘味ときれいな酸味、滑らかな口当たりが特徴の上質な品種です。

    ブルボン種

    ティピカ種がブルボン島という島で突然変異して生まれたことから名づけられた品種です。

    形状は他の品種よりも小粒で丸みがあります。

    ティピカ種より収穫量は多いですが、隔年収穫となるため流通されている量は少ない状況にあります。

    特有の甘味があり、濃厚でまろやかな味わいが特徴です。

    カトゥーラ種

    1937年にブラジルで発見された、ブルボンが突然変異して生まれた品種です。

    小粒ではあるものの収穫量が多く、病気への耐性も優れているため安定した生産性を持っています。

    良質な酸味・渋みが特徴で、コロンビアやグアテマラなどで栽培されることが多いです。

    パカマラ種

    1958年、エルサルバドルにて人工的に生み出された品種です。

    「パーカス」、「マラゴジッペ」という品種を組み合わせたもので、両者の名称から取って「パカマラ」と名付けられました。

    マラゴジッペの特徴である、大粒な形状を引き継いでいます。

    軽やかな酸味と甘みがあり、クリーミーな質感やコクなどバランスよく味わえます。

    ゲイシャ種

    エチオピア原産の品種で、アラビカ種としては珍しくほとんど改良されていないコーヒー豆です。

    病気に弱いことや樹高が4mと高いことから栽培には不向きとされており、コーヒー農園には定着することなく一度は存在を忘れられていきました。

    しかし、パナマのエスメラルダ農園が努力の末にゲイシャ種を育て上げ、現在では高級コーヒー豆として世界中に流通しています。

    爽やかな酸味と香水のような香りが特徴的です。

    スマトラ種

    インドネシアやマンデリンで発見された品種で、専門店ではティピカ種と表記されることもよくあります。

    コーヒーの銘柄としてよく耳にする、マンデリンに含まれている品種です。

    生産性の高さと豆の大きさが特徴で、スマトラ式という変わった方法で精製されています。

    重厚感のあるコクと苦味、独特の風味を楽しめます。

    ムンドノーボ種

    ブルボン種とスマトラ種との自然交配により生まれ、現在ではブラジルを代表する品種です。

    病害虫に強く生産性が高いため、収穫量が安定しています。

    ただし樹高が非常に高く、栽培や収穫による負担が生産者にかかりやすいので中米諸国はあまり栽培されていません。

    コクがあり、酸味・甘味・苦味をバランスよく味わえるのが特徴です。

    アラビカ種のおすすめ銘柄

    同じアラビカ種でも、銘柄によってはまた違った味わいを楽しめます。

    中でも特におすすめな銘柄が次の2つです。

    キリマンジャロ
    ・ブルーマウンテン

    キリマンジャロはタンザニアで生産されているコーヒー豆の銘柄です。

    人気な銘柄なので、この名前を聞いたことがある方は多いかと思います。

    強い酸味とコクがありながら甘い香りも楽しめて、「野性味のある味」と表現されることもあります。

    一方、ブルーマウンテンはジャマイカで生産されているコーヒー豆です。

    滑らかな舌触りと苦味・酸味・甘味・コクのバランスがよく、コーヒーの味わいにおけるすべての要素が完璧に整っていることから「コーヒーの王様」と称されています。

    幻のコーヒーと呼ばれるインドネシア「トラジャコーヒー」

    アラビカ種の中でも特に希少価値の高い銘柄、「トラジャコーヒー」はインドネシアのスラウェシ島にあるトラジャ地方で栽培されています。

    第二次世界大戦の影響で一度は滅びてしまったことから「幻のコーヒー」とよばれていましたが、日本の大手コーヒー製品企業であるキーコーヒーの支援により生産が復活したという歴史を持っています。

    スモーキー、クリーミーと表現される独特の香りがあり、フルーティーで爽やかな甘味と軽やかな酸味が特徴です。

    セブンイレブンのコーヒーはアラビカ種100%

    セブンイレブンのコーヒーはアラビカ種100%

    セブンイレブンの店頭で販売されている「セブンカフェ」はアラビカ種のコーヒー豆を100%使用しており、安くて美味しいコーヒーが味わえると人気です。

    特別なマシンを用いて何度も丁寧に焙煎された豆をその場で挽いて抽出するため、アラビカ種コーヒー豆の良さがギュっと詰まった贅沢な1杯となっています。

    酸味は控えめですが、すっきりとした喉越しと程よい苦味・コクが後を引く味わいです。

    まとめ

    ここまでアラビカ種のコーヒー豆について解説いたしました。

    コーヒー豆の品種は大きく分けてアラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種の3つがあります。

    同じアラビカ種の中でも、品種改良や突然変異により数多くの品種が派生しておりそれぞれに個性があります。

    今回解説したアラビカ種の知識をもってコーヒー豆専門店を覗いてみると、コーヒー豆の奥深い世界をより楽しめると思います。

    この記事と一緒によく読まれている記事

    よかったらシェアしてね!

    コメント

    コメントする

    目次
    閉じる